屋台経営者の公募に合格し、6月から福岡市内で順次オープンする予定の屋台13軒について、福岡市が屋号やメニューを公表した。ラーメンやおでんといった定番から変わり種まで、個性豊かなラインアップが並ぶ。屋台が激減していた長浜地区への出店もあり、幅広いメニューでにぎわいを呼び込みたい考えだ。
公募は、屋台の観光資源化をめざして2016年に市が導入。4回目となる今回は、過去最高となる5倍の倍率を13人がくぐり抜け、中洲・天神地区に6軒、長浜地区に7軒の屋台を出店する予定だ。
天神中心部の渡辺通り沿いには、3軒が新たに加わる。西鉄福岡(天神)駅近くでは、大分出身の店主が茶わん蒸しやシューマイといった蒸し料理の屋台を、屋台経営者の母と夫をもつ女性が「博多のおふくろの味」を売りにした屋台を、それぞれ準備している。
通りを500メートルほど南下した先では、博多区内に3店舗を持つラーメン店「博多一双」の創業者が、初めての屋台に挑戦する。炉端焼きやシメのラーメンを「オール500円」で提供したいという。
地下鉄中洲川端駅近くの昭和通り沿いには、今回最年少の24歳が営むもつ料理などの屋台や、九州産の食材を使った串カツの屋台が登場。残る1軒は清流公園近くで、豚骨ラーメンなどの博多名物を出すという。
長浜地区には7人が出店し、全ての空き区画が埋まる見込みだ。
めんたいこや肉巻きのほか、「ガチ中華」といわれる本場の中国料理など、個性派が目立つ。発祥の地として知られる「長浜ラーメン」にも、現時点で2軒が挑戦したいとしている。
長浜には、13年時点で15軒の屋台があったが、現在は70代~80代の店主が営む2軒のみとなっていた。
公募を担当する福岡市の濱田洋輔・まつり振興課長は「これから人の行き来が活発になるタイミングで、『屋台街』として復活できることはとてもうれしい。ぜひ観光客や、地元の方々にも、屋台の連なる長浜を楽しんでもらいたい」と話している。(福井万穂)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル