山岳遭難件数が全国ワースト4位の神奈川では、紅葉シーズンである11月の遭難者数が1年で最も多いという。高い山がある印象のない県内で、なぜ山岳遭難が多いのか――。遭難の約3割を占める大山(標高1252メートル)で行われた県警山岳救助隊のパトロールと訓練に記者(23)が同行した。
紅葉が見頃を迎え始めた16日の午前8時半。晴れ渡る空の下、丹沢山系の大山のふもとに着き、ひんやりと透き通った空気に心地よさを感じた。
お土産屋が並び、色づいた山は風光明媚(めいび)で、険しそうに見えない。気軽に登山を体験するにはうってつけの山なんだと思わせる。
大山は東京都内からも近く、標高約700メートルまでケーブルカーで上ることができるため、ビギナーの登山客に人気だ。
この日は平日にもかかわらず、多くの人が集まっていた。十分な装備で固めた高齢者のグループや、犬を連れた人、乳児を背負った人まで。県警山岳救助隊の北條保徳警部補の指導のもと、準備体操をしてから入山した。
ごつごつとした大きな岩や木の根が四方に張った登山道が続く。1年前まで大学の野球部で活動していた記者は体力に自信があり、意気揚々と足を進めた。
山の中で転倒してけが。痛くて自力では歩けない。そんなときに頼りにするのが山岳救助隊です。記事後半では、入社1年目の記者がロープを使って急斜面を降りる訓練を体験した様子を紹介します。
絶景の山頂で襲ってきたものは
しかし、登り始めて数十分…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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