主婦からタクシー会社長へ 家業守る決断

 「姫路タクシー」(兵庫県)社長の森田玲子さん(49)は大学卒業後まもなく専業主婦となったため、「私には何もできない」と思っていたそうです。そんな彼女の思考を変え、家業を継ぐことを決めたきっかけは、海外での経験でした。

 「ありがとうございます。姫路タクシーです」。配車受付の電話口で社長自ら対応する。体調を崩した父の後を継ぎ、兵庫県姫路市で70年続くタクシー会社の4代目になったのは5年前だ。従業員は45人で、年上のドライバーも含め「みんな息子のよう」。コロナ禍で売り上げは激減したが、「不安を取り除くのが経営者の務め」と真っ先に「会社はつぶさない」「誰も解雇しない」と宣言した。

拡大する森田玲子さん。「行き当たりばったりなことばかりですが、順応性は私の長所かも」と笑う=兵庫県姫路市、槌谷綾二撮影

 実は37歳まで会社勤めの経験がない。大学を卒業して1年間、英国に語学留学した後、親の勧めで結婚して専業主婦に。「スキルも経験もない私には何もできない」。そう思っていた。

 33歳のとき、会社員の夫の海外赴任に同行して一家でベルギーへ。2人の息子は当時、小学生と1歳。慣れない職場や学校に通う家族を支えようと奮闘した。

海外での一言、転機に

 そんななか、現地の友人が何げ…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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