丸い水平線と弓なりの九十九里浜。打ち寄せる白波にサーファーたちが挑む。まぶしい日の光がウェットスーツに反射する。夕日が海を照らすころ、人影は消え、風景は一変していく。
太平洋に突き出た高さ65メートルの断崖。刑部(ぎょうぶ)岬(千葉県旭市)の先端に立つ「飯岡刑部岬展望館~光と風~」の3階デッキに立つと、九十九里の弓なりの浜が目に飛び込んでくる。青い海と水平線。その風景をカメラやスマホに収め、満足して帰って行く人も多い。
夕方、岬のもう一つの魅力が始まる。
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日本ロマンチスト協会から認定された、岬の最先端にある高さ9・8メートルの「恋する灯台」に白い明かりがともる。晴れた日には西の空に赤い夕日が見え、オレンジ色に染まっていく。空気が澄む冬なら、190キロ西にある富士山のグレーのシルエットがくっきりと浮かぶ。夕日が勢いを失うにつれ、市内の街の明かりがまぶしくなっていく。「日本の夕陽(ゆうひ)百選」「日本夜景100選」「関東の富士見百景」に選ばれるのも納得できる光景だ。
旭市の石井則明さん(63)…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル