西岡矩毅、伊藤隆太郎
低気圧からのびる前線が近づく影響で、九州・山口の広い範囲で20日にかけて大雨になる恐れがある。気象庁は18日午後11時59分、山口県西部で線状降水帯が発生し、非常に激しい雨が同じ場所で降り続いていると発表した。九州各地の大雨のピークは19日昼前までとみられ、土砂災害や洪水に警戒を呼びかけている。
長崎県の壱岐・対馬では18日午後、線状降水帯が発生して激しい雨となり、記録的短時間大雨情報が発表された。対馬市美津島で1時間に95・0ミリの雨が降り、観測史上最大を更新した。
福岡管区気象台によると、19日午前0時現在、福岡県と山口県、佐賀県に洪水警報や土砂災害警戒情報が出ている。福岡県朝倉市は2910世帯(6606人)、同県那珂川市は463世帯(1034人)に避難指示を出した。避難指示は山口県下関市、同県宇部市、佐賀県江北町、同県有田町などにも出ている。
19日午後6時までの24時間雨量は長崎、熊本、宮崎、鹿児島の各県で250ミリに達するとみられるほか、福岡、佐賀、大分の各県が200ミリ、山口県150ミリと予想。午前中にかけても九州で線状降水帯が発生する可能性があると発表した。その後の20日午後6時までの24時間でも宮崎県と鹿児島県で200~300ミリと予想している。
福岡管区気象台の担当者は「九州南部と北部は6月下旬に梅雨が明けたが、先週後半から再び梅雨期に似た気象状況になっている」と説明。土砂災害や低い土地の浸水、河川の増水や氾濫(はんらん)の恐れがあるほか、落雷や竜巻にも注意が必要としている。(西岡矩毅、伊藤隆太郎)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル