梅雨前線に暖かく湿った空気が流れ込んで大気の状態が不安定となり、九州各地では27日朝から記録的な大雨となった。気象庁によると、長崎県佐世保市では、27日午後8時までの72時間の雨量が445・0ミリと、観測史上1位を記録した。
福岡県久留米市では1時間の雨量が92・5ミリで、観測史上1位を記録。佐賀県伊万里市で87・5ミリ、宮崎県えびの市で65・0ミリを観測した。2017年の九州北部豪雨で大きな被害が出た福岡県朝倉市では69・0ミリで、6月の記録を更新した。
大雨の影響で、佐世保市の90代女性がすねを打撲する軽傷を負った。県などによると、ブロック塀に手をついた際、ブロック塀が傾いて地面にできた穴に落ちたという。同市ではこのほか、崖崩れが3カ所で発生した。
JR九州によると、27日午後9時現在、筑肥線の山本―伊万里間で盛り土が崩壊。復旧作業のために27日の運転を終日見合わせるという。また、鹿児島県内の在来線の一部などで運転を見合わせたと発表した。
福岡県では、住宅の床下浸水が朝倉市で3件、久留米市で2件(午後7時現在)。佐賀県、宮崎県、鹿児島県の一部地域では、警戒レベル4相当の土砂災害警戒情報が発令された。
福岡管区気象台によると、28日は九州南部で雷を伴う非常に激しい雨が降るところがある見込み。28日午後6時までの24時間雨量は多いところで、奄美地方を除く鹿児島が250ミリ、熊本180ミリ、大分150ミリ、福岡、佐賀、長崎が120ミリに達すると予想されている。(渋井玄人)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル