林瞬、藤田大道
水戸市大工町の認可外保育施設で2018年、生後2カ月の男児が死亡した事故で、茨城県警は23日、元施設長の男性(78)を業務上過失致死の疑いで書類送検し、発表した。男児が窒息のおそれがある状態で寝ていたのに、注意を怠ったことが死亡につながった疑いがあると判断した。
発表によると、元施設長は同年8月31日の午後11時ごろから9月1日の午前1時ごろまでの間、男児をうつぶせの姿勢で布団に寝かせたまま、鼻と口が敷布団でふさがれていることに気付かずに窒息死させた疑いがある。元施設長は容疑を認めているという。県警は、水戸地検に起訴を求める厳重処分の意見をつけた。
捜査1課によると、事故直後の司法解剖では、窒息死の可能性があると指摘されたが、死因は特定されなかった。その後の捜査の結果、病死の可能性はなく、うつぶせで寝ていたことに伴う窒息死だったと判断した。
この施設をめぐっては、16年にも生後7カ月の女児が死亡したことが明らかになっている。県警は元施設長を業務上過失致死容疑で地検に書類送検したが、不起訴処分となった。
県は18年の事故後、有識者による検証委員会を設置。19年9月にまとめられた報告書によると、施設は12年度に県に設置届けを出した。年に1回の県の立ち入り調査で、保育士の不足などについて複数回指導を受けていた。
報告書は、深夜の時間帯に保育士の資格がない元施設長1人で乳幼児3人を預かっていたと説明。子どもの状態を細かく把握するのが困難な状態だった可能性があると指摘していた。(林瞬、藤田大道)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル