亀岡暴走事故、保護処分を受けた少年らの記録も廃棄 京都家裁

徳永猛城、屋代良樹

 全国の家裁で少年事件の記録の廃棄が相次いで発覚するなか、京都府亀岡市で2012年、無免許運転の車が集団登校の小学生らの列に突っ込み、10人が死傷した事故を巡り、保護処分を受けた少年らの記録を京都家裁が廃棄していた。家裁が25日、取材に対して明らかにした。

 この事故に関連して、少年6人が道路交通法違反(無免許運転)などの容疑で逮捕され、運転をしていた少年ら3人は検察官送致(逆送)を経て起訴され、懲役5~9年の不定期刑や執行猶予つきの有罪判決、罰金刑を受けた。残る3人については、少年法に基づき、家裁が保護観察や中等少年院送致の保護処分とした。

 家裁によると、19年2月~21年3月、保護処分を受けた少年3人の記録などを廃棄していた。逆送した3人についても、京都地検に送付していなかった家裁調査官の調査記録を廃棄していた。家裁が廃棄理由などを調査している。

 事故の遺族らは、無免許など悪質な運転の厳罰化を求めて署名活動などを展開した。13年に成立した自動車運転死傷行為処罰法では、無免許運転で死傷事故を起こした場合に刑が重くなる規定が盛り込まれた。

 この事故で妊娠7カ月の長女・松村幸姫(ゆきひ)さん(当時26)を亡くした中江美則(よしのり)さん(59)は取材に対し「法整備にもつながった事案なのに、遺族に連絡せずに廃棄した姿勢に落胆している。次の犠牲者を出さないためにも、次世代が参考にできるよう記録を保管すべきだ」と話した。(徳永猛城、屋代良樹)

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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