事件前、親子3人で児童相談所で非行傾向の相談 相模原両親死亡事件

阿部育子 原晟也

 相模原市南区マンションで夫婦の遺体が見つかり、高校1年の長男(15)が父親(52)への殺人容疑で逮捕された事件で、事件の数日前、長男の態度などについて父親が同市児童相談所に相談し、親子3人で児相の担当者と面談していたことがわかった。児相が取材に明らかにした。神奈川県警は事件に至る状況や動機を調べている。

 児相によると、父親から2月上旬、長男に非行の傾向があることや接し方について電話で相談があった。3人は同8日に児相を訪れ、担当者が長男と両親それぞれと、また、3人と面談し、対応を検討したという。相談は緊急性の高い「虐待」ではなく、父親からの「育成相談」だったため、児相は緊急の会議は開かなかった。

 長男は10~13日に父親を殺害した疑いで14日に逮捕された。児相の担当者は取材に「今後の方針を検討していたところで悲しい出来事が起きた。非常に残念」と話した。

 親子をめぐっては、2022年8月、「数年前に長男が父親にたたかれた」という趣旨の通告が県警から児相にあったという。児相は定期的に3人と面談し、父親による虐待はないと判断したという。

 県警は16日、父親と母親(50)の死因は、刃物で刺されたことによる失血死と発表した。夫婦の上半身には複数の刺し傷があり、現場から血の付いた刃物を押収。母親の死亡にも長男が関与した可能性があるとみて調べている。(阿部育子、原晟也)

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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