東京都江戸川区の住宅で住人男性を殺害した疑いで同区立中学教諭が逮捕された事件で、尾本幸祐容疑者(36)が事件前後に少なくとも2回、服を着替えていたことが捜査関係者への取材で分かった。警視庁は捜査から逃れるためとみている。
警視庁は事件当日の2月24日を中心に、尾本容疑者の勤務先の学校や、現場住宅の周辺の防犯カメラを分析している。
上下黒でフードかぶり 白手袋とマスク
捜査関係者などによると、尾本容疑者が事件当日に学校を出たのは午後1時ごろ。午後5時半ごろには、容疑者とみられる男が、学校から約170メートル離れた事件現場に向かう姿が映っていた。学校を出た際の服から変わり、上下黒っぽい服でフードをかぶり、白の手袋とマスクを付け、傘のようなものを持っていた。
事件後の同日夜、同一とみられる男が、江東区にある尾本容疑者の自宅方向に向かっており、この映像ではジーンズのようなズボンをはいていたという。
捜査関係者らによると、尾本容疑者は事件当日、午後の半日休をとっていた。申請は3日前だった。学校の出退勤記録システムでは、この日の容疑者の退勤は事件後となる「午後7時15分」と記されていたが、これは容疑者が学校の上司に頼んで記録していた。警視庁は事件時に在校していたように装ったとみる。
殺害された山岸正文さん(当時63)の住宅には血の付いたマスクが残されており、同庁が血を調べたところ、容疑者のものと矛盾しないと判明した。同庁は、血の付いたマスクなどについて聴取を受ける際の「想定問答」を押収。容疑者が作成したとみている。
同庁は容疑者が計画的に住宅に侵入し、その後に偽装工作に及んだとみている。容疑者は現在、黙秘しているという。
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル