木谷凪(きたになぎ)ちゃん(4)はドングリ集めにはまっている。
週末になると、近くの公園や曽祖母の家の周りで、双子の碧(あお)くん(4)と競うように集める。
ポリ袋いっぱいに詰めて保育園に持って行く。それが日課だ。
だから母親の莉世(りよ)さん(29)の車からは、袋からこぼれたドングリが毎日コロコロと見つかる。
奈良県中部、人口約1万7千人の大淀町。凪ちゃんは、町役場にほど近い延明保育園の年少さんだ。
「チカがいっぱい食べるから」。サ行の発音をちょうど練習しているところ。「チカ」はもちろん、奈良公園のシカのことだ。
昨年の夏に家族で会いに行った。そのときは逃げられて仲良くできなかった。
昨年秋の遠足。園児たちは、広場や公園などでドングリを拾った。奈良公園のシカに届けるためだ。
「チカにあげに行こうな」。凪ちゃんも友達と一緒に、ペットボトルからあふれんばかりにドングリをかき集めた。
その後も、保育園の園庭で友達が落としていったドングリを毎日拾った。
みんなで集めたドングリは約20キロの重さになった。ある日、担任の副島莉奈先生(27)は言った。「年長さんと年中さんでシカの元に届けに行きます」
せっせと集めたどんぐりが「チカ」に届けられない。そう聞いた凪ちゃんは、ある行動に出ました。記事後半で紹介します。
凪ちゃんは納得できなかった…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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