佐賀市の国道で追突事故を起こしたまま警察に通報しなかったとして、佐賀県警は5月31日、住居不定の県職員、久原洋一容疑者(45)を道路交通法違反(事故不申告)などの容疑で逮捕し、発表した。久原容疑者は事故直後から1カ月以上、行方がわからなくなっていた。容疑を否認しているという。
県警佐賀南署によると、久原容疑者は4月25日午後9時50分ごろ、佐賀市久保田町の国道444号で乗用車を運転中に県内在住の20代男性が運転する軽乗用車に追突する事故を起こし、首に軽傷を負わせたが、警察に事故を申告しなかった疑いがある。
久原容疑者は男性に名字と携帯電話の番号を教えて、立ち去った。その後、男性から通報を受けた警察が行方を捜したが、久原容疑者は勤務先の県佐賀中部農林事務所にも出勤しておらず、連絡がつかなくなった。
同署が、福岡県久留米市の駐車場に事故を起こした乗用車があるのを突き止めて張り込んでいたところ、久原容疑者が戻ってきたという。「自分は助手席に乗っていた。運転していたのは名前の知らない男性」と供述しているという。
佐賀県は6月1日未明、緊急の記者会見を開いた。県によると、久原容疑者は同事務所の主査で、白石町在住。事故当日の夜、佐賀市内の飲食店で、関係団体との懇親会に出席し、飲酒していたことを明らかにした。久原容疑者は、会合後、仲間とタクシーで佐賀駅まで行き、「もう一軒行く」と言って分かれたという。その後、事故を起こしており、県側は「飲酒運転の可能性が極めて高いと判断している」とした。
事故翌日から年次休暇を取るなどして休んでいたが、5月13日以降は無断欠勤となっていたという。県の進龍太郎総務部長は「事実関係を詳細に調査し、厳正に対処していきたい」とのコメントを出した。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル