カンボジアから覚醒剤を密輸しようとしたとして、覚醒剤取締法違反(営利目的輸入)などの罪に問われた、住宅リフォーム業の山田泰斗被告(48)=東京都板橋区=の裁判員裁判の判決が8日、名古屋地裁であった。山田耕司裁判長は懲役9年、罰金350万円(求刑懲役12年、罰金400万円)を言い渡した。
判決によると、山田被告は昨年12月29~30日、覚醒剤約3・3キロ(末端価格約2億円)をカンボジアから密輸しようとした。
体調壊し休業、残った借金
「とにかく家族に申し訳なかった」
覚醒剤取締法違反(営利目的輸入)などの罪で実刑判決を受けた山田被告は、被告人質問で声を詰まらせた。妻と2人の子どもがいながら、安易に「運び屋」を引き受けた。法廷では「覚醒剤ではなく、金(きん)と思った」との証言を繰り返し、最後まで罪を認めることはなかった。
建設関係の仕事に就いていた2017年秋、リフォーム会社を起こした。当初は安定した収入があり経営も軌道に乗ったが、網膜剥離(はくり)を患い、入退院を繰り返した。仕事を休まざるをえなくなった。
悪いことは重なった。休業前に、会社のホームページ作成を約200万円で依頼。だが、無収入となり、多額の負債を抱えた。資金不足にあえいでいた今年9月、手に取ったスマートフォンで検索したのは「#闇バイト」や「#高額報酬」だった。
「高額報酬案件紹介できます」「お金が急きょ必要な方、勇気をもって連絡してください」。ツイッターでそう投稿するアカウントに連絡をとり、仕事を紹介してもらうようになった。だが、報酬を振り込むと言われて教えた口座が詐欺に使われたり、自宅に身に覚えのない商品が大量に届いたりと、逆に詐欺被害に巻き込まれた。多数のアカウントと連絡を取ったが、報酬を得られたのは1回だけ。指定された事務所を回って現金を回収し、見ず知らずの人に渡して5万円を受け取った。
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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