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首都圏を中心に感染者が再び増加するなか、新型コロナウイルスで打撃を受けた観光業を支援する『GoToキャンペーン』が議論を呼んでいます。GoToキャンペーンは、国内旅行を対象に代金の半分を支援する事業で、そのうち7割は代金の割引、3割は旅先で買い物や飲食に使える地域共通クーポンを配るというものです。政府は当初、8月上旬の開始を予定していましたが、観光業界からの要望を理由に22日スタートと前倒しました。
岡山県・伊原木隆太知事:「疲弊した観光業を中心とする地域経済を活性化する趣旨で、国を挙げてやることなので、これはぜひ成功させたい」
自治体からは歓迎する声もある一方で、全国一律のスタートに反対する声も多く上がっています。
大阪府・吉村洋文知事:「全国的なGoToキャンペーンは、今やるべきではないと思っています。まず、それぞれの府県の近隣県・エリア、小さい単位から始めて、感染の様子を見ながら全国的に広げていくのがいいんじゃないか」
山形県・吉村美栄子知事:「最近の首都圏の感染状況や、豪雨災害の状況など踏まえると、この時期に全国一斉にスタートするのはいかがなものかなと。感染増加の状況をみると、地方としては手放しでは喜べない」
青森県むつ市では、感染が発生した場合に4床しか病床を確保できず、医療体制の崩壊につながりかねないとして、GoToキャンペーン期間中に、市が運営する観光施設の閉鎖を検討し始めました。
青森県むつ市・宮下宗一郎市長:「感染の拡大に歯止めがかからなくなれば、これこそ本当に“政府による人災”だと」 こうした懸念の声に対し、赤羽一嘉国土交通大臣は、キャンペーンに参加する条件として、宿泊業者などに感染防止対策を義務付けることを明らかにしました。例えば、宿泊業者などは、受付に仕切り板を設けることや、旅行者全員に検温を実施し、高熱が確認された場合に備え、保健所との連絡体制を週末も含めて確立することなどの対策を実施しているとホームページなどで公表することが義務付けられます。
赤羽一嘉国土交通大臣:「感染状況を常に見ながら、どこまでも柔軟に。安全が第一でありますので、そのことは踏まえて対応していこうと考えております」
批判が相次ぐなかでの前倒し実施に、国交省幹部は「中止や延期はないと思う。旅行業界は今、ボロボロだ。瀕死の重傷だから、早急に輸血をしないといけない差し迫った状況だ。正直、多少の感染者が出ることは想定内。感染症対策をしながら、新しい旅行様式を育てていかないといけない」と話しています。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース