新型コロナウイルスの感染拡大に加え、開幕直前まで準備が混乱した東京オリンピック(五輪)が8日に閉幕する。大会組織委員会は酷暑への対応で調整不足も露呈したが、大会の根幹に関わる大きなトラブルはなく、関係者は「無観客になったことで、運営にかかる現場の負担は大きく減った」と受け止めている。
「これまでのオリンピックの中で、オペレーションが最も難しかった大会かもしれない」。組織委の中村英正・運営統括は7日午前の記者会見で、国内外のメディアに向けて英語で苦悩をにじませた。
新型コロナへの対応のほか、大会運営で焦点になったのは酷暑への対応だった。
中村氏が記者会見した7日、午前6時に札幌市大通公園で女子マラソンの号砲が鳴った。猛暑のためにスタートの1時間繰り上げが決まったのは、その11時間前。突然の変更に、現場は沿道警備などの計画の練り直しを迫られた。沿道警備をしていた男性は「ほとんど寝ていない。ここ数日の札幌の暑さは分かっていたはずなのに、変更は急すぎる」と苦笑した。
6日午前11時に国立競技場で実施予定だったサッカー女子決勝も、国際サッカー連盟などの要請を受けて前日に急きょ、午後9時に日産スタジアム(横浜市)での開催に変更された。
この時期の酷暑は開幕前から想定できていた。それでも危機感が高まらず、競技直前に急きょ会場や日程が変更になったことについて、「組織委と国際競技団体の調整不足があらわになった」と大会関係者は言う。陸上、サッカーともいずれも国際競技団体の主導で、組織委の対応は後手に回り、試合時間に合わせて調整していた選手にしわ寄せが行くことになった。
大部分の会場が無観客だったため、日程や会場を変えてもチケットの払い戻しなどを考慮する必要がなく、変更が容易だったという面がある。別の組織委幹部は「無観客は不幸中の幸いだったのかもしれない」と振り返る。
「有観客だったら事故が起きていた可能性高かった」
むしろ、ある会場の運営責任…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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