「そもそもオリンピックって何ですか」。そんな問いを投げかける絵本が出版された。作ったのは、米国出身で広島市在住の詩人アーサー・ビナードさん(52)。「延期になった今こそ、五輪の本質を考えてほしい」と話す。
古代五輪の始まりから、広島県海田町出身の陸上選手、織田幹雄(1905~98)が日本人初の金メダルを獲得するまでを「風」が語り部となってたどる。カラフルで力強い絵は、絵本作家のスズキコージさんが担当した。
ビナードさんは30年ほど前に来日し、広島に住み続けながら、原爆ドームが主人公の絵本「ドームがたり」や、原爆の放射線で細胞が死んでいく様子を描いた紙芝居「ちっちゃい こえ」などを手がけてきた。
五輪に興味を持ったのは東京五輪の招致運動さなかの2013年ごろ。五輪とは何かを考えず、とりあえず招致するという風潮を感じ、違和感を持った。
そんな中、たまたま訪れた海田町で織田幹雄を知った。
織田は広島一中(現・広島国泰…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル