五輪と人出、「印象論」と否定の小池知事 都幹部も苦言

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岡戸佑樹、軽部理人

 東京都での新型コロナウイルスの感染拡大は、専門家に「制御不能な状況」と指摘されるレベルにまで至った。小池百合子知事は、東京オリンピック(五輪)の開催と人出の関係を否定し、五輪期間中に人出は減少したとの分析をアピールする。ただ、直近の感染者数をみると、五輪期間中に感染した人は、これまでにない大規模な人数に達したとみられる。

 「印象論でおっしゃっている。こちらは人数がどうだったか確認している」「エピソード(出来事)ベースではなくエビデンス(証拠)ベースで語ることが重要だ」

 13日の定例会見で、小池知事は強い口調でたたみかけた。前日にあった都のモニタリング会議で、国立国際医療研究センターの大曲貴夫氏が「競技場の周辺や沿道に多くの人が集まり応援する姿が見られた」と述べたことを問われた際だ。

 緊急事態宣言下での自粛生活が長引く中、五輪開催によって人出が増え、感染拡大の要因になるとの見方に対し、小池知事はこれまで「五輪の視聴率は20%を超えており、ステイホームに一役買っている」と強調してきた。13日の会見でも「テレワークなどの推進もあり、ステイホームで応援して頂き視聴率も上がった」と改めて述べた。

 さらに、都はこの日、小池知事の主張を後押しするデータを突如発表した。

 五輪期間中の人出について、競技場周辺や都心部での大会前との人出を比較した調査結果だ。開閉会式や路上競技などで瞬間的に人出が増えた場所や時間帯はあったものの、大会期間全体としては大会前よりも人出は減少したと結論づけた。

 だが一方で、感染リスクが高い深夜帯の繁華街での人出は、大会期間中に高止まりしていたとのデータもある。

 都医学総合研究所の調査によ…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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