五輪のアサガオと木材、閉幕後どこへ行った 地元のレガシー活用戦略

 東京五輪パラリンピック選手村の交流施設「ビレッジプラザ」は全国から集めた木材で建設され、解体後にはそれぞれの地元に木材が返される。競技会場を飾ったアサガオは、育てた学校に鉢が戻された。こうした五輪・パラとのつながりは各地の「レガシー(遺産)」となりつつある。

東京五輪・パラリンピック選手村のビレッジプラザには全国の木材が使われた。柱には「福島県」などの文字も=2021年6月20日午前11時15分、東京都中央区、諫山卓弥撮影

 ビレッジプラザには雑貨店やカフェ、メディアセンターなどが設けられ、選手や関係者らが滞在した。木造平屋建てで、延べ床面積約5300平方メートル。柱や梁(はり)には、63自治体で伐採された約4万本のスギやヒノキなどが使われ、木材には産地の印が押された。

 大会組織委員会が2017年、「日本の木材活用リレー」プロジェクトとして木材を無償提供してくれる自治体を募った。大会後、建物を解体し、木材に大会で使われたことを示す刻印を施して、来年2月までに各自治体に戻す。「木材を再び活用し、レガシーを身近に感じてもらいたい」と組織委は期待する。

村全体に広がった「ハンガープロジェクト」

 プロジェクトを通じ、各地で五輪・パラへの関心は高まった。

 長野県の最南端に位置する天龍村。天竜川が南北に貫く、自然豊かな人口1100人ほどの村だ。村からはヒノキとスギを提供した。永嶺誠一村長は「村産材が大会で使われることは、村民の誇りや自信になる。過疎化が進む村にとって大きなレガシーになると考えた」と語る。

 その思いは村全体に広がった…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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