コロナ下の東京オリンピック(五輪)は、観客や大会関係者が楽しんできた五輪の風物詩「ピンバッジ交換(ピントレーディング)」にも影を落とす。会場は無観客となり、海外の大会関係者も絞られ、交流が生まれにくいからだ。そんな中、「海外の皆さんに日本の思い出を持ち帰って欲しい」と、会場周辺で交換を呼びかける人もいる。
「ピン交換しませんか」
7月30日午後、東京・国立競技場前。ピンバッジを体中に付けた千葉県浦安市の亀山隆史さん(47)が海外メディア関係者に控えめに声をかける。口元は黒いマスクで覆われ、手には「Change Pins!」と書かれた手作りボード。
2014年のサッカーW杯ブラジル大会を現地で観戦し、バッジ交換の魅力に目覚めた。でも「海外の方が少ない。いつもより交換できる感じはない」。
「ピントレーディング」とは、五輪やサッカーW杯など大規模な大会で、各国選手団やスポンサー企業などが制作したバッジを交換し合う。バッジにはそれぞれの国旗をあしらうなど、国の特徴が出る。
一説によると、1896年の第1回アテネ五輪で選手や役員を判別するためにバッジを制作したのが始まりで、交換が普及したのは1980年代で、各国にコレクターも多い。
スポンサーであるコカ・コーラは、各大会でピン交換に力を入れ、今回も東京・渋谷の「RAYARD MIYASHITA PARK」内にピンバッジがもらえる場所を開設している。
「私のライフワーク」。ピン…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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