斉藤佑介、荻原千明、河崎優子
東京オリンピック(五輪)の選手村が13日、オープンした。選手らが滞在する建物は参加国の国旗や垂れ幕で彩られ、ボランティアは「精いっぱいのおもてなしを」と意気込む。ただ、交流事業が消えた地元の高揚感は薄い。新型コロナ対策で選手の滞在期間も短く、選手間の交流も限られそうだ。
「日に日に選手村が色づいてきた。いよいよ五輪なんだという気がします」
東京都中央区の会社員杉本大さん(37)はこの日の朝、村内の居住棟に各国の国旗が掲げられているのを目にした。オーストラリアの居住棟に掲げられた垂れ幕には、日本語で「心より感謝いたします」の文字。「日本への気持ちが伝わってきた。コロナ禍で選手たちも苦労を強いられてきたと思う。東京でよかったと思ってもらえるもてなしができれば」
7月8日から週の半分を選手村のボランティアとして活動する。選手団が寝泊まりする部屋の備品を確認したり、居住棟の受付で案内係をしたりする。8月8日の閉幕まで計10日以上、選手村の中で働く予定だ。
選手村に滞在する外国選手団のスタッフとも、徐々に交流が生まれている。この日は、ブラジル選手団のスタッフに、道すがら「オラ(こんにちは)」と声をかけた。
ただ、警備員らが出入りを厳重に管理する約44ヘクタールの選手村を一歩外に出ると、開幕ムードとはほど遠い。
選手村がある地元・中央区は、住民と選手団との交流のために様々な企画を練ってきたが、コロナ禍で実施が難しくなった。
平和の祭典でもある五輪に合…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル