五輪マネーへ迫った「横展開」捜査 最後の焦点、竹田恒和氏の関与は

 「捜査の過程で、高橋(元理事)に一番力があると分かった」

 東京五輪パラリンピック大会組織委員会の高橋治之・元理事(78)を4回逮捕した長期捜査を、検察関係者はそう振り返った。

 端緒の一つになったのは、高橋元理事のコンサルタント会社「コモンズ」の銀行口座だった。

 2018年、フランス司法当局は東京大会の招致で国際オリンピック委員会(IOC)の委員側に賄賂が渡った疑惑の捜査を本格化させた。コモンズにも招致委員会から億単位のロビー活動費が送金されたといい、東京地検特捜部は口座を調べていた。

 東京大会が21年に終わると、特捜部は捜査態勢を整えた。コモンズには、紳士服大手「AOKIホールディングス」からの不自然な入金が確認された。

 大会組織委の理事は公務員に準じた扱いを受ける「みなし公務員」で、贈収賄事件の対象になる。

 ただ、高橋元理事は非常勤の理事で、担当の職務は定款に明記されていない。「職務に関して賄賂を受け取る」という収賄罪の立証で要になる、職務をめぐる権限が「非常に薄かった」(検察関係者)。

 計15人が起訴された五輪汚職事件。巨額の五輪マネーはどこまで解明されたのか。そして、「負のレガシー」から何をくみ取るべきなのか。

 そこで特捜部が取った手法が…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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