今夏の東京五輪・パラリンピックで使われた大会専用車を覚えているだろうか。白ベースで赤や青の市松模様をアレンジしたラインが特徴だった。大会関係者を会場まで運んだり、競技の先導をしたり。閉幕から約3カ月、この約2700台はどこへ行ったのか。
10月下旬、福島県郡山市の郡山自動車学校で、このうちの2台を見つけた。トヨタの水素燃料電池車「ミライ」で、「TOKYO2020」のロゴ上に自動車学校の名を冠している。
「目立つので宣伝効果も期待したい。若い人の車離れが進むなか、環境に負荷のかからない車もあり、自動車も多彩だと知ってほしい」と学校関係者は願う。
走行距離は100キロ前後の中古車。新車だと700万円超だが、懇意の販売店から声がかかり「お手頃な価格」(関係者)で購入できたという。教習車としては大きいため、送迎用として約60人の生徒を送り迎えしている。年明けから春にかけて入校生が増えるため、利用回数は今後もっと増える見込みだ。
東京大会の専用車両は、閉幕後の9月中旬から中古車市場で販売が始まっていた。SNSでも「お得かも」「買う人いるのか?」と話題になった。
大会のトップスポンサーだったトヨタが、電気自動車や自動運転バス、立ち乗り型の小型電気自動車など約3350台を大会向けに提供した。「大会で役目が終わりというわけではなく、今後も長く活用してもらいたい」(同社広報)として、プリウスやカローラ、ミライなど乗用車約2700台の中古販売を決めた。
その人気は高いようだ。
「ネッツトヨタ郡山」(郡山…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル