2020年7月24日に開幕予定だった東京オリンピック・パラリンピックについて、国際オリンピック委員会(IOC)と大会組織委員会は「遅くとも来年の夏までに開催」という判断をした。IOCと大会組織委員会のこの判断について、組織委の武藤敏郎事務総長は「人類の知恵で、薬も出てくるだろうし、1年ということが判断されたことだろうと思います」と話す。しかし、開幕までに新型コロナウイルスが収束すればいい、というわけではなく、それより前に世界各地での予選や聖火リレーが安全に行える状況になっている必要がある。武藤事務総長は「誰も今の時点で明言することはできない。専門家もそこまで明言する人は今のところいません」と、見通しが立たないことを認める。
2002~03年に流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)は、32の国・地域に広がり8千人超の患者が出たが、最初の感染確認から8カ月後に収束した。SARSは発症直後は感染を広げにくく、患者を早めに隔離することが功を奏したとされる。
一方、新型コロナウイルスは、SARSウイルスと遺伝情報は似ているが、発症後しばらくはかぜの症状が続き感染がわかりにくいうえに発症直後から感染を広げやすい。このため、封じ込めが難しく、多くの人が感染して免疫を獲得するか、ワクチンが開発されるまで、収束に向かわない可能性がある。
日本感染症学会理事長の舘田一…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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