金子和史 植松敬
五輪汚職事件で贈賄罪に問われた紳士服大手「AOKIホールディングス」の前会長らが21日、有罪判決を受けた。判決は、大会組織委員会の元理事・高橋治之被告(79)=受託収賄罪で起訴=が持つ職務上の「強い権限」が事件の背景にあったと認定した。元理事は今後の自身の公判では無罪を主張する方針だ。
東京地裁の判決はまず、組織委内の権力構造について、大会スポンサー企業の決定は会長だった森喜朗元首相に一任され、その森氏は高橋元理事に募集などのマーケティングを任せていたと指摘した。このため、高橋元理事には「職務において強い権限を有する実態があった」と認定した。
さらに、高橋元理事が森氏とAOKI側の会食の場を設けるなどしたことで、AOKI側は元理事の影響力の強さを認識し、「影響力を頼って贈賄行為に及んだ」とした。
AOKI側は公判で、「私的な利益を得ようとする高橋元理事に利用された」と主張し、スポンサー就任など、依頼事項の多くは元理事からの提案がきっかけだったと訴えた。
これに対して判決は「両者の思惑の一致」を指摘。「高橋元理事の影響力を利用し、自社の利益を追求しようとした」AOKI側と、「(便宜供与の)見返りに利益を得ようとした」元理事による合意があったと判断した。
そのうえで提供された280…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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