東京五輪の競技会場が特に集中しているのが、お台場など臨海副都心地区だ。当初は1日最大10万人が訪れると予想されていた街は、コロナ禍でどうなったのか。開幕翌日、聖火が移ってきた4連休の現場を歩いた。
お台場と有明の間に架かる「夢の大橋」に設けられた聖火台のまわり。
国立競技場での開会式が終わったばかりの24日午前0時40分ごろには、すでに100人近い人だかりができていた。
2016年のリオ五輪・バドミントン女子ダブルスの金メダリスト、高橋礼華さんがトーチで点火すると、「おー!」と歓声と拍手がわき起こった。
聖火台は、開会式で披露されたものと同じデザイン。大きさは約3分の1で、花のように開いた球体の中で24時間炎がともる。
友人らとやってきた栃木県栃木市の女性(76)は1964年の東京五輪の時は大学生だった。「もう二度とない機会。この目で見たかった。私って、ミーハーだから」
臨海副都心地区には、バレーボール、体操競技、テニス、スケートボードなど13競技の会場がある。大会組織委員会は当初、観客だけで1日最大10万人の来場を予想。「夢の大橋」を挟んだ約2キロを「オリンピックプロムナード」と銘打ち、にぎわいを生み出す拠点として期待していた。
しかしコロナ禍で方針は一転。いまは聖火台の観覧自粛を呼びかけている。聖火台の周囲は柵で囲われ、「ディスタンス(距離)の確保を」と掲げたボランティアが、足を止める人に「流れて」と声をかける。
午前9時ごろ。「人出もそんなに多くないのに、大げさだよ」。滋賀県日野町の会社役員の男性(65)はつぶやいた。未明とは変わり、聖火台周辺は20人ほどとまばらだ。
男性は、卓球などを観戦するはずだったが、無観客開催に。直前の決定でホテルをキャンセルできず、家族で東京に来た。聖火台は「思ったよりも小さくて、拍子抜け」だった。ホテルのテレビで見た開会式も物足りなく感じたという。「盛り上がりに欠ける感じ。これなら地元にいた方がよかった」
青のユニホーム姿の都市ボラ…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル