5月に亡くなった作曲家で俳優の小林亜星さんの生んだメロディーが、JR京都線の島本駅構内に流れている。大阪と京都の境に位置する小さな駅でなぜ? 舞台裏には、小林さんの優しさがあった。
♪ランバンビラン シュビダディン~ オデ~エ~オ~
関西随一のターミナル・大阪駅から快速で4駅、25分。大阪府島本町にある駅のホームに立つと、「電車が参ります。ご注意下さい」というアナウンスに続いて、あの旋律が聞こえてくる。
サントリーオールドのCMで流れていた「人間みな兄弟~夜がくる」だ。小林さんが作詞・作曲を手がけ、1968年に初めて放送された。しっとりとしたギターにあわせたスキャットが耳に残る名作で、現在までウイスキーCMの代名詞のように親しまれている。
駅の開業は2008年3月。町にはサントリー山崎蒸溜所があるため、「国産ウイスキー発祥の地」をPRしようと、町は電車の接近メロディーにこの曲を要望した。
サントリーの了承を得て、小…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル