亡き兄は職場で細菌に感染した…8年越しの訴え、認めさせた妹の思い

 2歳年上の兄は独特ながら、妹思いの人だった。

 妹が幼稚園に入園すると、なじめているかと人一倍、心配した。何度注意されても自分のクラスを抜け出し、妹の様子を見にいくことをやめなかったため、妹が兄のクラスに編入された。

 人付き合いは不得手だったが、幼いころから虫や動物が大好きで、図鑑ばかり読んでいた。

 獣医師を目指したこともあった兄、松本小市郎さんは熊本県の職員になると、やがて県畜産研究所に配属された。

 2013年からは、研究用に飼育している豚のエサやりやフンの清掃、体重測定のほか、豚舎の維持管理にもあたっていた。

 その2年後のことだった。首のリンパ節に腫瘍(しゅよう)ができ、15年1月、摘出手術を受けた。

聞き慣れない細菌の名前、いつも通りの様子から一変

 そんなときでさえ、持ち前の…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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