吉村駿
520人が亡くなった日航機事故から38年がたった12日、多くの遺族が現場となった御巣鷹の尾根へ登るなか、リモートで慰霊登山をする人もいた。
東京都中央区の会社員山本昌由さん(43)は、事故で父の謙二さん(当時49)を亡くした。この日は、スマートフォンのビデオ通話機能を使って、母の啓子さん(78)と長女の春乃さん(8)らに父の墓標を見せた。「木がいっぱい生い茂る山の奥です。ここからみんなのことをずっと見てくれているよ」
大阪府八尾市に住む啓子さんは足が悪く、6年前を最後に慰霊登山に参加できていない。今年、尾根では衛星通信環境が整い電波が入るようになったため、現場に来なくても父の墓標の様子を見せることができた。
コロナ禍のため、山本さん自身も4年ぶりに尾根に登った。「『38年が過ぎても父のことは忘れていないよ』と伝えることができて良かった」。スマホの画面上で母はうれしそうな表情だったといい、「母にもこの日に現場を見せられて良かった。今後遺族の高齢化がさらに進むので、リモートで慰霊登山ができるのはありがたい」と話した。(吉村駿)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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