亡き祖母が残した「タイムカプセル」 16年経って孫が見つけた宝物

 「どんな時も自分のことを肯定してくれる存在」

 神奈川県在住のイラストレーター・TAKUさん(24)にとって、父方の祖母はそんな人だった。

 小学生のころは週末になると、都内で一人暮らしをしていた祖母の家に遊びに行っていた。

 大好きだったウルトラマンや怪獣のソフトビニール製人形を、リュックいっぱいに詰め込んで。

 「これがパンドン。こっちはエレキング」

 怪獣のことを説明しても、「そうね」と笑うだけの祖母。

 詳しくないことはわかっていたが、聞いてくれることがうれしかった。

 学校の友達はウルトラマンを卒業している子も多く、話せる相手がいることがありがたかった。

 そんな祖母はがんとの闘病の末、TAKUさんが小学5年生の時に79歳で亡くなった。

 訃報(ふほう)が届いたのは、楽しみにしていたウルトラマンフェスティバル開幕の前日。

 「子どもに準備できることもないから、フェスは行っておいで」

 母親からそう言われて送り出されたが、まったく楽しめなかったことを覚えている。

    ◇

 今年の8月下旬、そんな祖母の遺影に「ばぁば、ありがとう」と手を合わせた。

 少し前、父親が体調を崩して入院した際に「まだそっちに連れてかないで」とお願いしていた。

 そのかいあってか、命に関わる症状だったものの、無事に退院することができた。

 感謝を伝えた後、仏壇を掃除していると、1本の「巻物」があるのに気づいた。

 以前からあったような気もするが、はっきりとは覚えてない。

 家系図かなと思って広げてみ…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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