亡父がつないでくれた、あの作家との縁 絵本店になったでんきやさん

 5年ほど前までは家電製品が置かれていた。

 創業133年の「街のでんきやさん」の店舗の1階。

 とある縁もあって、そこを改装した。

 山形県米沢市本町1丁目。

 観光客らでにぎわう上杉神社周辺から1キロ余り南の県道沿いに、「あなたの街のでんきやさん」という看板は見えてくる。

 そして「灯油・ガス」などの文字とともに、なぜか描かれているのは「えほんや」という看板。

 「えほんや絵瑠夢(えるむ)」

 それがこの電器屋さんのもう一つの名前だ。

 扉を開けると、表紙が見えるように絵本がならぶ。

 商談に使われてきた丸テーブルにも絵本があり、パラパラめくりながらお茶を飲んだり、会合に使われたり。

 お客さんが持ち寄った絵本を自由に読めるコーナーもあり、店内に400~500冊の絵本がある。

 「店を閉めるか、クリーニング店などに転換するか。それとも貸し出すか」

 店舗を改装する必要が出てきたとき、安部美和子さん(72)は頭を悩ませた。

 大手家電量販店も進出し、店舗の役割を果たさなくなってきたからだ。

 そして、行き着いたのが絵本店。

亡き父の親友はあの作家

 背景には父の友人の存在があった。

 いまは亡き父は第2次大戦中…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

Japonologie:
Leave a Comment