「らき☆すた」がきっかけ
「聖地巡礼」がまちおこしとして、地域と版元が協働する形で本格化したのは2007年。アニメ「らき☆すた」が放送され、舞台となった埼玉県久喜市にある鷲宮神社に、大勢のファンが「巡礼」に訪れるようになり、こうしたファンを地元商店街がもてなしたからでした。 「らき☆すた」を制作したのが、京アニです。監督に武本康弘さん、作画監督に木上益治さんや池田晶子さん、西屋太志さんなどが担当されていましたが、事件によって尊い命が失われてしまいました。 作品の舞台をファンが訪れる動きそのものは、「らき☆すた」以前からあり、代表的なものには1974年放送の「アルプスの少女ハイジ」などがあります。京アニ作品においても、2006年の「涼宮ハルヒの憂鬱」では、兵庫県西宮市などが舞台となり、ファンが訪れる動きはありました。しかし、西宮でスタンプラリーなどのイベントが実施されるようになったのは、「らき☆すた」放送よりあと。「聖地巡礼」が地域振興につながることがわかってのことです。 「らき☆すた」以降、京アニは「聖地」を続々と生み出していきます。2009年の「けいおん!」の滋賀県豊郷町。12年の「氷菓」の岐阜県高山市。13年の「たまこまーけっと」の京都市出町枡形商店街や、「Free!」の鳥取県岩美町。15年の「響け! ユーフォニアム」の京都府宇治市。16年の「聲の形」の岐阜県大垣市など、現在でもファンが多く訪れています。 こうしてみると、「らき☆すた」以外は西日本に偏っています。そしてなぜ、京アニ作品に「聖地」が多くみられるのでしょうか。理由には、アニメ業界ではかつて異色と言えた、地方に拠点を構えていることが関係しています。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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