京都アニメーション第1スタジオ(京都市伏見区)の放火殺人事件の発生から10カ月あまり。自らやけどを負った青葉真司容疑者(42)は一時、命の危険もあったが、皮膚移植手術を繰り返し受けて回復し、逮捕、勾留された。今後の取り調べで、何を語るのか。
春ごろから体調は安定
防犯カメラがとらえていた赤いTシャツ姿とは、まるで別人だった。入院先の京都市内の病院から伏見署に移された青葉容疑者は、白い布のようなものにくるまれて担架に乗せられ、顔や腕が赤くただれていた。皮膚の状況を踏まえ、手錠もしていなかった。ブルーシートのすき間から見えた一瞬の姿が、36人の命を奪った火災のすさまじさを物語っていた。
昨年7月18日。第1スタジオの南約100メートルで身柄を確保された。「(小説を)パクりやがって」。怒った様子で周囲に叫んだ。全身に負ったやけどの治療のため、京都市内の病院へ。意識不明の重篤な状態が続き、事件2日後、高度なやけど治療を受けられる大阪府内の病院に移った。
やけどの深さは、大部分が皮下組織まで達する「3度」と診断された。筋肉まで損傷した部分もあった。焼けなかった自分の皮膚を培養し、移植する手術を重ね、介助があれば体を起こせるほどに回復。昨年11月に京都市内の病院へ戻り、リハビリを続けてきた。高熱が出ることもあったが「春ごろから発熱の回数が減り、安定した」(京都府警幹部)という。
逮捕時、火災の全容知った容疑者は
「小説をパクられた」「爆発物もって京アニ突っ込む」「最初から原稿を叩(たた)き落とし裏切る気だった」
インターネットの掲示板には2…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル