36人が亡くなった京都アニメーション第1スタジオ(京都市伏見区)の放火殺人事件で、京都地検は9日、殺人容疑などで逮捕された青葉真司容疑者(42)の事件当時の精神状態を調べるため、京都地裁に鑑定留置を請求し、認められた。期間は9月10日までの3カ月間。勾留は停止され、医師による精神鑑定が始まる。地検は医師の見解を踏まえ、刑事責任能力の有無や程度を判断し、起訴するかどうかを見極める。
また、青葉容疑者の勾留理由を開示する手続きがこの日、地裁であり、青葉容疑者が担架に乗せられたまま出廷した。事件後、公の場に姿を現すのは初めて。裁判官に名前を聞かれ、「青葉真司です」と答えたが、事件については語らなかった。
青葉容疑者は5月27日に逮捕され、地裁が即日、勾留を決定。重度のやけどを負い、約10カ月にわたる入院治療で会話できるまでに回復したが、自ら歩くことはできず、医療態勢の整った大阪拘置所に移送されていた。
地裁は勾留理由について、動機や事件の経緯などに関し、第三者を介した証拠隠滅や逃亡の恐れがあると説明。一方、弁護側は逃亡は不可能で、青葉容疑者に代わって親族や友人が証拠隠滅することもできない、と訴えた。接見の申し入れは7回のうち4回が体調不良で実現しなかったとし、「入院を続け、任意で聴取すればいい。勾留の必要はない」と述べた。
京都府警によると、青葉容疑者は昨年7月18日午前10時半ごろ、第1スタジオに侵入し、1階でバケツに入れたガソリンをまき、ライターで放火。3階建ての建物延べ約700平方メートルを全焼させ、中にいた役員・社員70人のうち36人を殺害し、残る34人を殺害しようとした疑いが持たれている。
弁護人「証拠隠滅は不可能だ」
勾留理由開示手続きとは
京都アニメーションの放火殺人事件で、青葉真司容疑者(42)が逮捕されてから約2週間。京都地裁で9日にあった勾留理由の開示手続きに、容疑者本人が出廷した。担架に横たわり、天井を見ながら裁判官の質問に答えた。
午後4時すぎ、京都地裁101号法廷。青葉容疑者は車輪付きの担架に乗せられたまま現れた。マスクをつけ、青いガウンのような服を着用。仰向けの姿勢で、胸元まで白いシーツのような布がかけられていた。髪は逮捕時よりやや伸び、顔の皮膚はやけどの痕で赤みを帯びていた。
「名前は」
冒頭、鵜飼奈美裁判官に尋ねら…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル