光墨祥吾 西崎啓太郎 山本逸生
被告人質問 約18時間のやりとりから
「池田晶子(しょうこ)はターゲットでしたか」
アニメーターの池田(本名・寺脇)晶子さん(当時44)を失った夫(50)が、数メートル先の車いすに座った青葉真司被告(45)をまっすぐ見つめ、問いかけた。
36人が犠牲になった京都アニメーション放火殺人事件。20日の第8回公判では、遺族が初めて、直接質問する機会が設けられた。青葉被告は「京アニ全体を狙う認識で、誰か個人を狙う認識はなかった」と答えた。
「青葉さん」と呼びかけ、時折声を詰まらせて尋ねた夫。「放火殺人の対象者に家族、子どもがいることは知っていますか」と問うと、それまでよどみなく答えてきた被告は数秒間、戸惑った様子で沈黙し、言った。
「申し訳ございません。そこまで考えませんでした」
初公判で起訴内容を認め、第3回公判からの被告人質問も淡々と自身の半生を振り返ってきた。ただこの日、遺族らの代理人弁護士の質問に気色ばむ場面があった。
「被害者の立場を考えなかったのか」と聞かれた時だ。「逆にお聞きしますが、(京アニは小説を)パクった時に何か考えたか」と逆質問した。
裁判長に「いま、あなたは質…
※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル