京都府土地開発公社職員を逮捕 高速道路の用地買収巡る官製談合容疑

 新名神高速道路の用地買収に関する指名競争入札をめぐり、特定の業者に落札させるために不正を行ったとして、京都府警は7日、京都府元職員で京都府土地開発公社の新名神事務所次長、渡辺昭一容疑者(62)=同府久御山町=を官製談合防止法違反の疑いで逮捕し、発表した。

 捜査2課によると、渡辺容疑者は新名神事務所の所長だった2020年、新名神高速道路(京都府宇治田原町―同府城陽市)の用地買収に関する補償金再算定業務の指名競争入札で、業者間の受注調整に応じない可能性がある2社について、入札に参加できないように指名対象から外した疑いがある。認否は明らかにしていない。

 入札は20年10月に実施された。同課は、特定の1社が落札しやすくなるように、渡辺容疑者が入札参加業者を選んだとみている。入札には10社が参加し、3675万円の予定価格に対し、落札価格は3390万円だった。

 公社はネクスコ西日本から新名神高速道路の用地買収を受託している。補償金の算定は、地権者との交渉のために行う。土地の価格などを見積もる必要があり、コンサル会社などに発注する。

 渡辺容疑者は元府職員。公社に派遣され、19年4月から2年間、新名神事務所の所長を務めた。21年3月に退職し、公社に再雇用されていた。公社は京都府が設立し、役員は元府庁幹部や現役幹部が務めている。

 渡辺容疑者の逮捕を受けて会見した公社の藤森和也理事長は「関係者のみなさまの信頼を失墜させた」と陳謝したものの、「警察が発表したような被疑事実はなかったと確信している」と述べた。

 府警は7日午後、京都府土地開発公社(京都市上京区)や新名神事務所(同府京田辺市)を家宅捜索した。公社には約20人、新名神事務所には約10人の捜査員らが入った。

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

Japonologie:
Leave a Comment