新型コロナウイルスの感染拡大を受け、7都府県に緊急事態宣言が発令されてから初の週末を迎えた11日、各地の繁華街では人通りが大幅に減少、自粛の動きはさらに加速した。
大阪の玄関口で、普段の週末なら多数の観光客で混雑するJR新大阪駅(大阪市淀川区)。しかし、この日、新幹線の改札を通過する人は数えるほどで、ずらりと並ぶ券売機の利用者もほとんどいなかった。
「乗車した車両にいた乗客はわずか3、4人。新大阪駅の人の少なさにも驚いた」と話すのは、仕事で滞在していた広島市から大阪市内の家に帰るという会社員の男性(53)。緊急事態宣言が出ていない広島と比べ、「大阪は緊迫感を覚える」という。
梅田では百貨店など商業施設の多くが営業を自粛。シャッターが下りた街を行き交う人は少なかった。土日は食品売り場を含め全館を休業する阪神梅田本店(北区)の前では、休業を知らせる張り紙を呆然(ぼうぜん)と眺める人の姿もみられた。
ただ一部では府が自粛を求めている「不要不急」の外出とおぼしき人も。「正直、休みの日ぐらい自由にしたい」とこぼした大阪市の会社員の男性(53)は友人らと食事した後に街をぶらぶらするという。
一方、日本一長い商店街としても知られる天神橋筋商店街(北区)では、飲食店を中心に営業を続ける店舗が目立った。
「今は耐えるしかない」と話すのは洋服店のマネジャー、岡淳一さん(41)。3月の売り上げは例年の約半分に落ち込んだ。「緊急事態宣言を受け、特に夕方以降の人出が減ったと感じる」と説明する。
宣言の対象外になっている京都府でも、府や京都市が政府に対象地域に含めるよう要請したことも影響したのか観光客は一段と減少、街は閑散としていた。
お茶屋や飲食店が多く立ち並び、歴史情緒あふれる街並みで知られる祇園の花見小路通(京都市東山区)は、行き交う人もほとんどいない状態に。祇園商店街振興組合の担当者は「臨時休業している店もかなりあり先が見通せない」と不安をのぞかせる一方、門川大作市長が観光自粛を訴えたことには、「感染者数も増えている状況では仕方ないのでは」と理解を示した。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース