長男の1歳半健診の前夜、問診票を手にぽぽさん(33)は悩んでいた。
「1日の食事について教えてください」
「テレビやスマートフォンの利用時間を教えてください」
「子育てで大変だと思うことは何ですか」
質問項目を見ながら、「正直に書いたら確実に『やばい母親』認定だよな」と思った。
「子どものことをどう思っていますか」という質問。回答の選択肢には、こんな言葉が並んでいた。
「感情的に怒鳴ってしまう」
「可愛く思えない時がある」
「育児が楽しくない」
そんな気持ちになってしまうこともあるが、いつもではない。
「悩みはありません」「食事も特に質問ありません」と、無難な回答を書くことにした。
正直に書いたところで、「ちゃんとやってください」としか言われないだろう。
「こんな育児ダメですよ」と言われたところで、そんなの自分が一番わかってる。
わざわざ怒られるために健診に行こうとは思えなかった。
健診当日に聞かれたこと
長男はいつもベビーカーに乗ることを嫌がる。
よその子がおとなしく座っているのを見ると「どうして?」と思っていた。
健診当日も、長男を脇に抱えてベビーカーを押しながら役所に到着した。
健診を一通り終えて、泣きじゃくる長男と一緒に面談に臨んだ。
対応してくれた保健師は、新生児のころから何度か世話になっている女性だった。
「おひさしぶりー。元気にしてた?」と笑顔で迎えてくれた。
彼女は問診票を一通り眺めた後、開口一番こう聞いてきた。
「ぶっちゃけ、どう?」
そしてこう続けた。「問診票…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル