人はウサギとカメの両方を持っている 川村妙慶さんに兄は叱った

 真宗大谷派の僧侶で、アナウンサーでもある川村妙慶(みょうけい)さん(57)の実家はお寺で、現在は兄(59)が継いでいます。兄はかつてひきこもっていた時、イソップ童話の「ウサギとカメ」を題材にした小説を書きました。妙慶さんは、そこに兄の洞察の深さを感じます。

 「僕たちは、ウサギとカメの要素を両方とも持っているんだ」

川村妙慶さんプロフィール

 かわむら・みょうけい(本名・伊知地慶子) 1964年生まれ。北九州市門司区出身。実家は真宗大谷派・西蓮寺。京都市の短大を経て85年、仏教の専修学校に入学し、得度した。その後、アナウンサー養成教室に通う。西蓮寺再興のため帰郷したが2006年に京都市内の僧侶と結婚して坊守に。「心の荷物をおろす108の智恵」など著書は30冊以上。「川村妙慶の心が笑顔になるラジオ」(KBS京都)のパーソナリティーを務めている。

 真宗大谷派・西蓮寺住職だった父が急死し、川村妙慶(みょうけい)さん(57)の兄寿法(じゅほう)さん(59)は後継問題のプレッシャーでひきこもってしまった。40年前のことだ。

 短大進学を機に京都市に住んでいた川村さんはたびたび北九州市の実家に帰ったが、兄が部屋から出て姿を見せることはなかった。ある時、部屋の前から問いかけた。

 「兄ちゃん、話できんの」

 しばらくして扉が開いた。乱…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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