昨年打ち上げられた米企業の人工衛星が、夜空で最も明るい「天体」の一つになったと、米国やチリなどの研究者が英科学誌ネイチャーに発表した(https://doi.org/10.1038/s41586-023-06672-7)。「1等星」と同じ明るさで太陽光を反射しているといい、地上の望遠鏡観測などの邪魔になる恐れがあると懸念を示している。
地球を周回する人工衛星は、太陽光を反射して明るく見えることがあるが、これまで最大でも2等星ほどの明るさだった。
今回の人工衛星は、昨年9月に高度約500キロに打ち上げられた「ブルーウォーカー3」。米企業ASTスペースモバイルが、携帯電話の通信基地局網をつくるためのテストとして打ち上げた。約64平方メートルの巨大アンテナを持ち、低軌道を周回する人工衛星としては最大級の大きさを誇る。
チリや米国、メキシコ、ニュージーランドなどの望遠鏡が昨秋~今春、この人工衛星を観測したところ、明るさは最大で0・4等級だった。
「冬の大三角」を構成するプロキオン(こいぬ座)やアケルナル(エリダヌス座)といった1等星と同じ明るさで、肉眼でもはっきり見える。全天で21個ある1等星の中では、最も明るいシリウスから数えて9番目くらいにあたる。
■明るすぎる衛星「肉眼で太陽…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル