新型コロナウイルスが異例の週末をもたらした。感染の拡大を防ぐために、不要不急の外出や首都圏への行き来は自粛を――。首都圏一帯に出されたこんな要請は、どう受け止められたのか。各地を歩いた。
19:00
「職場、行くしかない」
JR千葉駅。東京方面からの列車が着くと、多くの人がマスク姿で改札を出た。千葉市内の自宅に向かう東京・新宿の病院職員の男性(60)は「朝から仕事だった。患者がいる以上、職場に行くしかない。自粛要請は出ているが、仕事上どうしようもない」。病院には感染の疑いがある患者も来る。「どうにもできないけど、やっぱり怖い」
駅前の繁華街は明かりがともり、ほとんどの店が普段通り営業していた。ただ客足は鈍く、普段の週末なら列のできる飲食店も空席が目立つ。
飲食店で働く千葉県茂原市の女性(20)は「自分が東京に行かなくても、東京で仕事をして帰りに店に寄るお客さんも多い。こまめに手を洗っているけど、感染しないかひやひやしています」。
17:10
K―1、今回は無観客で
東京ドーム(東京都文京区)の隣にある後楽園ホールでは「K―1 JAPAN GROUP」が運営する格闘技イベントが無観客で始まった。22日には、さいたまスーパーアリーナ(さいたま市)での格闘技イベントに約6500人の観客が参加。開催のあり方について都との間で協議を重ねていた。選手のセコンドにつくという男性は「どんな雰囲気になるのか想像できない。盛り上がりには欠けると思うけど、今は仕方ない」。
16:00
「一通り買えたかな」
さいたま市浦和区のJR浦和駅に近い「なかまち商店街」は小雨が降る中でも、家族連れや買い物客でにぎわっていた。多くの店が通常営業で、ファストフード店には列ができ、スポーツジムに入っていく人の姿もあった。
特に混雑していたのが大手スーパーの食品売り場。納豆やカップ麺などの保存食が品薄で、「米はお一人様1袋」との表示があった。店を訪れた50代の女性会社員は、「買い占めが少し心配だったけど、必要なものは一通り買えたかな」と胸をなで下ろした。
午後3時から焼き鳥を店先で販売する居酒屋「力(りき)」には、列ができていた。今井俊博店長(41)は「今日の人通りも普段より多いぐらい。夜の居酒屋営業でも、変わりなくお客さんが入ればいい」と話した。
拡大する雨が降っても人通りが絶えないJR浦和駅に近い商店街=2020年3月28日午後4時8分、さいたま市浦和区のなかまち商店街、吉岡資撮影
15:50
秋葉原巡る楽しみ「自粛難しい」
東京・秋葉原。電器店やアニメ…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル