新型コロナウイルスに感染し、重症化して集中治療室(ICU)に入った男性(51)が、闘病体験を朝日新聞に語った。居酒屋で鍋を囲み、集団感染になった。悔恨と看護師らへの感謝から、「いまコロナになったらほんま危ないで」と周囲に伝えている。
兵庫県加古川市の会社員、前川真一郎さん。感染判明は昨年11月。「今ならええんちゃうか」とゴルフコンペを開き、友人17人で宴会をした。翌日から次々と感染が分かり、自らを含めて感染者は計8人。「まさか自分がなるとは」
入院後も39度超の熱が続き、吸える空気の量が減っていった。「途中で呼吸が止まるんじゃ」。恐怖で眠れなかった。震える指でICUから「死にそう」と家族にメッセージを送った。
体調を持ち直した頃、看護師からのサプライズのお祝いが待っていた。「ようしてくれたなって。幻やないかって」。退院は3週間後だった。
再び緊急事態宣言が出た。医療現場の逼迫(ひっぱく)状況に胸を痛める。「自分がかかったのが今だったら、入院できずに死んでいたかもしれない」。感染を1人でも減らしたいという思いから、実名での取材と写真撮影に応じた。
前川さんは、闘病の経緯を手帳に記していた。
39度台の高熱。息を吸える量が減り「陸でおぼれているような」状態に…手帳にはコロナによる苦しみ、不安や後悔が記されていました。
昨年11月8日 地元の友人た…
2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル