今国会、国民投票法は見送りか 貿易協定を優先 「桜見る会」野党先鋭化(産経新聞)

 終盤国会で与野党の攻防が激しさを増している。憲法改正手続きを定めた国民投票法改正案は衆院憲法審査会での21日の採決をめぐり与野党が折り合わず、12月9日に会期末を迎える今国会での成立は厳しい状況。今国会の最重要課題として20日に参院で審議入りした日米貿易協定承認案は、与党が会期内の成立を目指すものの野党は反対姿勢を鮮明にし、首相主催の「桜を見る会」をめぐる追及を先鋭化させている。

 衆院憲法審査会は20日、与野党幹事による懇談会を国会内で開いた。与党側は21日の審査会で国民投票法改正案の採決を求めたが野党側は反対し、審査会の開催協議も不調に終わった。

 自民党は、改正案の今国会成立を必達目標に掲げていた。ただ参院での審議時間を考慮すると、会期延長がなければ衆院憲法審の採決は21日が「タイムリミット」とみられていただけに、今国会での成立見送りも視野に入る。

 自民党からは野党抜きでの「強行採決」を示唆する声も出たが、国対幹部は「憲法審査会の日程は厳しくなった。重要法案をまず通さなくてはいけない」と語り、日米貿易協定承認案の成立などを優先させる考えを示した。

 一方、20日の参院本会議では主要野党が桜を見る会について首相を追及した。

 立憲民主党の那谷屋正義氏は、首相が多数の後援会関係者を招いたことを批判し、参加者急増への関与などをめぐり首相の認識をただした。共産党も紙智子氏が質問時間の半分近くを割いた。首相は「私自身の責任で全般的な見直しを幅広く意見を聞きながら行う」と守勢に立たされた。

 政府側が慎重な対応に徹するのは、承認案の審議が予断を許さないためだ。

 衆院は外務委員会での審議と農林水産など3委員会による連合審査に計11時間を費やした。参院は21日に外交防衛委員会で実質審議入りする。同日を含め会期末までに定例日は5日間あり、与党国対幹部は「衆院並みの審議時間は確保できる。理想は今月中の成立だ」と話す。

 ただ当初のスケジュールは崩れている。政府・与党は参院の議決を得なくても衆院通過後30日で自然承認される憲法の衆院優越規定を念頭に今月8日の衆院通過を目指した。しかし、2閣僚辞任など不祥事のあおりで承認案は19日に衆院を通過。情勢次第では、参院で綱渡りの国会運営を迫られる可能性も否めない。(今仲信博、石鍋圭)

Source : 国内 – Yahoo!ニュース

Japonologie:
Leave a Comment