薄明の空に尾を引く“ほうき星”、ネオワイズ彗星が見ごろを迎えています。日本から見える彗星としては近年にない明るさで、観測条件の良い場所からはその姿が肉眼で見えるほどになっています。 今日は東日本などで晴れた夜空が期待出来るため、見逃せない観測のチャンスとなりそうです。20時前から21時すぎにかけての北西の空に注目してみてください。 この写真はウェザーニュースユーザーが昨夜沖縄県の石垣島で撮影したものです。肉眼ではぼんやりとしか見えませんが、うまく写真に撮るとこのような姿になっているようです。
今月上旬が明るさのピーク 日没後の空に注目
ネオワイズ彗星は今年3月に発見された彗星で、7月頃に明るくなるのではないかと予想されていました。今月はじめに太陽に最も近づき、そこで崩壊せず生き残って、実際に明るい姿を見せることになりました。 7月中旬以降は日没後の北西の空に沈みゆくネオワイズ彗星を見ることが出来るようになります。 日没後のネオワイズ彗星の高さは、日を追うごとに高い位置となって観測しやすくなるものの、彗星の明るさはこの先徐々に低下するためだんだんと見付けづらくなる予想です。 また北海道など北の地域では「周極彗星」と呼ばれる状況になっていて、夜中に北の空の低いところを通過することで彗星が一晩中沈まない様子を観測出来るとのことです。
彗星と見間違いやすい現象
日の入り前後の西の空には、彗星のような白く光る線状のものが見えることがあります。これらは夕陽に照らされた飛行機雲であることが多いようです。 彗星の場合は日没後数十分経った後に見え始めます。動く速度は太陽などの沈む速さとほとんど同じため、数分で位置を変えて見えなくなるようであれば、それは雲かもしれません。
「三度目の正直」
なよろ市立天文台きたすばるの村上恭彦台長によると、7月12日現在のネオワイズ彗星の明るさは2等台とかなり明るく、北半球から見える彗星としては近年にない明るさになっているとのこと。 ここ10年程度の間には、太陽に近づいて消滅した2013年のアイソン彗星のように、かなり明るくなると期待されながら実現に至らなかったことが度々ありました。 今年もアトラス彗星やスワン彗星が期待されたように明るくならず、「二度あることは三度あるのでは」と噂されていた中で、見事ネオワイズ彗星は「三度目の正直」を実現させてくれたといいます。
今夜は東日本などで観測のチャンス
梅雨の真っ只中で晴れ間の見えない日が続いていましたが、今日は東日本などで日没後に晴れた夜空が期待出来ます。もし宵の時間に晴れ間が見えたら彗星を探してみてはいかがでしょうか。双眼鏡などがあると観察しやすいとのことです。 国立天文台によると、このネオワイズ彗星(C/2020 F3)が次に太陽に近づくのは5000年以上先とみられます。
ウェザーニュース
Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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