市民の署名活動にまで発展し、二転三転した鳥取県倉吉市の新小学校名をめぐる問題が、ようやく決着を見せた。今春に開校したばかりの小学校は、来年度から別の校名になる。
倉吉市議会は20日、現在の「成徳小」の校名を「打吹小」とする条例改正案を全会一致で可決した。本会議で、打吹案を審議した厚生文教常任委員会の山根健資委員長が「原案通り可決すべきものと決定いたしました」と報告。質疑はなく、採決では議長を除く15人全員が起立した。
一度は市議会で「至誠」と可決されてから約1年3カ月。「至誠」「打吹至誠」「成徳」と変遷した校名問題はようやく決着した。成徳小は1873年に前身が創立、1878年に「成徳」の名となった。約146年を経て、その名が消えることになる。
市教育委員会は2021年3月、成徳、灘手、明倫の3小学校の統合方針を決定。先行して今春に成徳、灘手の2校を統合し、新小学校が誕生した。明倫の統合時期は未定だ。
成徳、灘手地区の住民代表らで構成する学校統合準備委員会は22年6月、公募で寄せられた案から「至誠」を選んだ。だが、その議論は非公開で、公募では「至誠」が1件だったのに対し、「打吹」が150件寄せられていたことも明らかにされなかったことが、市民の不信感を招いた。
結局、市民の市長への直接請求を受け、市議会は一度可決した「至誠」を撤回。準備委が再提案した「打吹至誠」も認めず、統合後も校舎を使い続ける「成徳」の校名で今春の開校を迎えた。市教委は今秋、統合対象3地区の保護者らにアンケートを実施し、最多だった「打吹」を市議会に提案していた。
広田一恭市長はこの日の閉会…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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