同居する母親の首を絞めて殺害したなどとして、殺人と死体遺棄の罪に問われた無職青谷良樹被告(29)=愛知県豊川市古宿町=の裁判員裁判で、名古屋地裁岡崎支部(三芳純平裁判長)は17日、被告に懲役6年(求刑懲役8年)の判決を言い渡した。
被告は起訴内容を認めており、量刑が争点だった。弁護側は被告が母親を一人で介助してきた「ヤングケアラー」で、「介護疲れを理由とする事件」として情状酌量を訴えていた。
判決は母親が精神障害を患い、自殺未遂や暴言を長年繰り返してきたと指摘。被告が犯行までの約2週間、暴言で睡眠を妨害され、過度の睡眠不足だったとして「我慢の限界に達したことは理解でき、酌むべき点がある」と述べた。
一方、被告が市の担当者による就労の助言などを拒み、医師にも積極的に相談していなかったと指摘。「周囲の助けを借りて現状を改善する努力をせず、短絡的な面がある」と判断した。専門学校に通学できていた点にも触れて、「人生を犠牲にしていたとはいえず、社会から完全に孤立断絶した境遇にあったとはいえない」と結論づけた。
判決によると、被告は2018年6月28日~7月2日ごろ、自宅で母親の首を絞めて殺害し、遺体を自宅内の衣装ケースに入れて約3年間放置した。
「ヤングケアラー」だった青谷被告。公判では周囲から十分な支援を受けられず、孤立を深めていった状況が浮き彫りになった。
中高生の頃は母親の介助のた…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル