介護の力でユニバーサルツーリズム振興を – 高齢者などの旅行支援、観光庁が後押し(医療介護CBニュース)

 「旅行に行きたい」という意欲は高いものの、健康上の理由などから諦めている高齢者は多いとされる。介護事業者や現場従事者の支援でこうした状況の打開を目指す団体が、21日に「介護旅行シンポジウム」を開催した。観光庁観光産業課の坂野修一課長補佐は基調講演で、介護が必要な高齢者が旅行に行ける環境づくりが「国の観光施策としても大事」と期待を込めた。同庁が進めるユニバーサルツーリズム(高齢や障害などの有無にかかわらず参加できる旅行)の推進に当たり、現地での支援体制の確保を重視している。【吉木ちひろ】

 シンポジウムには、全国の介護従事者や経営者、旅行業者ら約150人が参加した。主催は介護事業者やコンサルタント4法人を中心に組織する一般社団法人日本介護旅行サポーターズ協会。
 観光庁では、団塊ジュニア世代の高齢化などによって観光市場の将来的な縮小が懸念される中、70歳以上のシニア層の需要に着目しているという。同庁の「平成26年度ユニバーサルツーリズム促進事業報告書」によると、「交通乗降・送迎など現地での移動サポート」(42.6%)、「移動時の快適さ」(同)、「寝具、ベッドへの配慮」(33.8%)など70歳以上の層の多くが、旅行に行く条件として観光地や移動時の支援を求めている。また、日本観光振興協会の調査結果では、70歳以上の30%が「健康上の理由で」旅行をしなかったと回答しており、坂野課長補佐は、健康面や環境の条件が整えば旅行への意欲・頻度が高まることへの期待を述べた。
 観光庁の施策では、2018年度に高齢者や障害者などに対応した旅行(ツアー)商品を作り上げるための実証実験に取り組み、長崎市の軍艦島(端島)に車椅子で上陸するツアーや、山形県南陽市で車椅子によるパラグライダーフライトを体験するツアーなどが催行された。また、各都道府県へのバリアフリー旅行の相談窓口の開設を年間5、6カ所のペースで進めているという。

CBnews

【関連記事】


Source : 国内 – Yahoo!ニュース

Japonologie:
Leave a Comment