ジェンダー(性差)の格差がとりわけ大きいと指摘される日本の宗教界で、実際にどのようなジェンダーギャップがあるのかを探る研究会があった。伝統仏教教団の事例から浮かび上がったのは、女性僧侶や、寺院に居住する男性住職の配偶者や家族らの「寺族」が置かれた不安定な立場だった。
研究会は「宗派運営におけるジェンダー格差―改善への道を模索する―」と題され、龍谷大学(京都市)の「ジェンダーと宗教研究センター」の主催で6月9日に、オンライン上で開かれた。
住職の死後 追い出される「寺族」も
「女性と仏教・関東ネットワーク」の世話人を務める瀬野美佐さんが「曹洞宗教団のジェンダー」をテーマに発表。男女同権がいわれた戦後でも、男性僧侶が住職をする大きな寺の下請けのような小さな寺の住職しか尼僧ができなかった状況などが経済格差や差別を生んだと指摘した。
また、年間収入が300万円…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル