結婚予定の相手がいないうちから出産や子育ての不安を胸に抱き、やりたい仕事を目指すのをためらってしまう――。就職活動を機に、そんな悩みを抱える女子学生は少なくありません。社会学者の藤田結子・明治大教授は「興味ある仕事に挑戦を」と背中を押します。(上野創)
見つけた夢と、「28歳で1人目」の希望と
東京都内の私立大保育系学部に通う3年の女子学生(21)はこの秋、千葉市のZOZOマリンスタジアムにいた。ホームのロッテが佐々木朗希投手の好投もあって勝利した試合だ。
「野球場で素敵な思い出を作ってほしいな」。最近、試合を見ながらそんなことを考える。
大学3年になった今春、就職活動が始まった。「プロ野球に関わる仕事がしたい」と思うが、球場のバイト先の社員から「球団は新卒をほぼ採らない」と聞いた。それならば、とスポーツ新聞などの説明会に参加してきた。
枠が狭いのは分かっている。実際、インターンシップに応募しても落とされ続けた。それでも夢に向かおうと思っている。
そしてもう一つ、夢がある。「できれば3人子どもがほしい。1人目は28歳あたりで」
高校時代、保健の授業で、加齢とともに妊娠しにくくなると教わった。大学では、「子育てには体力と経済力が必要」ということを知った。
22歳で就職して、3年ほど社会人スキルを磨き、人脈も作りたい。球団で働けるのはいつから? 転職となると25歳ごろ?
子育ての夢も同じ時期だ。「…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル