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新型コロナウイルスの新規感染者は11日、全国で1500人以上確認されました。新規感染者数の推移では、4月・8月に続き、3つ目の山ができ始めています。“第3波の到来”といった状況になっています。
日本医師会・中川俊男会長:「新規感染者数は10月以降、明確に増加している。波としては第3波と考えていいのではないか」 東京都の新規感染者は317人。8月20日以来の300人超えとなりました。
東京都・小池百合子知事:「40代60代の中高年世代が、20代30代を上回っている。全世代に感染が増えているという状況がみられる。11日は無症状が100名を超えて過去最高であります。これは積極的に検査を受けた結果であり、自費による検査を受ける方が最近増えていることもひとつです」 一足早く、新規感染者が急増していた北海道のなかでも、深刻なのが札幌市です。11日の新規感染者を見ると、北海道197人のうち、札幌市だけで138人を占めています。先月下旬から、感染者が増えるのに合わせ、経路不明が5割近い状態が続いています。
札幌市・秋元克広市長:「やはり専門の保健師等が不足してきたという状況があり、症状あるいは行動履歴などについての聞き取り調査が少し滞っている。11月7日から他府県・国等から応援の職員・保健師さんに来て頂き、今、その遅れのばん回という状況になっています」 札幌市では、27日まで、繁華街すすきのの接待を伴う飲食店などに、午後10時までの時短営業を要請しています。 新規感染者は、大阪府では256人、兵庫県が70人と、共に過去最多となりました。大阪府では、予定を一日前倒しして、11日に対策本部会議を開きました。
大阪府新型コロナ対策本部会議:「これまでの接待を伴う店の報告よりも、居酒屋や飲食店での滞在歴が急増している。また、旅行に参加された方の感染も増えている。様々な場面での感染が散発的に起こっているのが、今回(第3波)の拡大の特徴」 このほかにも、岩手・茨城・埼玉・新潟でも過去最多となっています。 各地の感染拡大には、クラスターの発生が大きく影響していて、日本に住む外国人の集団感染が目立ち始めています。
感染症対策分科会・尾身茂会長:「外国人グループに支援をするのが大事だが、現実としては言葉や医療へのアクセスに違いがあるので探知しにくい」 埼玉県本庄市にあるベトナム仏教の寺『大恩寺』では、住職のタム・チーさんが、在日ベトナム人信者の会の会長を務めているため、生活に困った技能実習生や留学生が身を寄せています。
大恩寺、タム・チー住職:「今回のコロナの関係で貧困者・困難者のベトナム人技能実習生・留学生・元技能実習生が多いです。他の施設も合わせて4カ所ほど100人以上を保護しております」 ベトナム人の多くは、日本語を十分に話せず、新型コロナの影響で仕事も失ったため、もし高熱が出ても、病院に行くお金がありません。
元技能実習生:「ベトナム帰りたい。今、コロナになったから仕事あんまりない。お金とか泊まる場所とか全部ない。なくなっちゃった」「会社にクビにされた。車の工場です」
留学生:「(Q.学校に行けていますか?)学校はダメ。(Q.お金がないから?)そうですね。今はアルバイトないですから。(Q.学費は?)高いです。払った」 施設では、マスク着用や夕食前の検温を徹底しています。ただ、タム・チーさんのもとにやってくる以前は、感染対策どころではなかったのが実情だといいます。
大恩寺、タム・チー住職:「だいたい皆分かってるんですけど、生活は厳しいので、自分で家賃が払えない。そうすると、友達の家に転がり込んで、それもクラスターになってしまう。なかなか病院に行けず、病気になって亡くなった方々も多いですよ」 このまま、先が見えない生活はいつまで続くのか。異国の地で不安は増す一方です。
大恩寺、タム・チー住職:「行く場所もない、周りに助けてくれる人もいない、絶望感が多い。受け入れる会社が、きちんと彼らの健康をしっかり管理してあげて、具合が悪い時に必ずすぐ病院に連れて行ってあげてほしいです。彼らを平等に扱って、すぐ病院に連れて行って検査させてあげてほしいです」
Source : 国内 – Yahoo!ニュース