東京本社社会部長・隅田佳孝
10代の活躍が光った五輪とは対照的に、パラリンピックでは中高年が輝きを放った。
最終日の5日も、日本選手団最高齢で、視覚障害がある西島美保子さん(66)がマラソンで8位に入賞した。終盤は両足がつり、何度も立ち止まった。それでも、きずなと呼ばれるロープの端と端を手に、腕の振りと歩幅を合わせてきた伴走者と声をかけ合って、42・195キロを走り抜いた。
体を目いっぱい使い、動きに工夫をこらして、自らの可能性に挑む。そんなパラリンピアンたちの姿は、障害や世代、性別、国籍を超越した人間の「個」としての尊さを伝え、一人ひとりの違いを認め合うことの大切さを体現していた。
一方で、五輪・パラリンピック開催までの曲折を振り返ったときに浮かぶのは、「多様性と調和」という大会の理念からほど遠い日本社会のありようだ。
大会組織委員会トップの女性…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル